初の投票
2/8は衆議院議員選挙でした。
息子さん18歳になって初めての選挙となり初の選挙権を使う機会が訪れました。
息子さんはプログラミングをはじめ「自分で考えてやってみる」ことが好きなので、政治に関してもいつもいろいろ意見を言っています。
思い返してみると、私がその年代くらいの時は政治のことなんて1ミリも考えてなかったです。
どうしてか考えてみると、私は自分がどう思ったところで変わることもないし変える力もないと思っていたので政治も結局他人事のようにとらえていました。良くない考え方です。
息子さんは何事も自分事として考え「自分はこうしたい」と思う気持ちが強くて、すごいなあと感心します。
そんなこんなで、初の選挙権の行使の時がやってきました。
字が書けない
しかし息子さんは書字障害で字があまり書けません。
『ディスグラフィア』とよばれるものと思います。
「思います」と他人事のように書いたのは、ネット検索していてつい最近この言葉を知ったからです。
『ディスグラフィア』ではなく、『ディスレクシア』という読み書き困難の症状は割と知られていると思います。トム・クルーズさんもそうだとか。うちの息子さんは字は問題なく読めるのでディスレクシアではないのですが、書くほうだけが苦手です。
詳しく書くと、息子さんの場合は字が全く書けないわけではなく私にもはっきりした感覚はわかりませんが「ものすごく頑張らないとできない」ことなのだそうです。
それも体調のいいときは「頑張ってできる」けど悪いときは「頑張ってもできない」です。
とはいえ書けるときには書けるので親としては書きたくないだけかなと思って今まであまりこのことを気にしていませんでした。ずっと不登校だったこともあり家ではパソコンに向かってばかりで書字をすることもほとんどありませんでした。字を書くのはホワイトボードに構成図とかを書く時くらいなものです。
本人にとって書字はすごく苦痛で極力やりたくないということがわかってきたので私としても気を付けて対処するようになったのはつい最近です。
今まで何度か書類にサインを書かないといけないこともありましたが、何日か調子が良いときを待ってやっと書いています。またサインが急ぎで必要なときは相手方に承諾を得て私が代筆したりしています。
書字が苦手なことが学校嫌いの一つの要因でしたがタイピングは得意なので特性に理解のある高校を選び合理的配慮のもと提出物やテストなどすべてPCで対応してもらいました。
「字が書けない」と伝えること
最近、宅急便の受け取りで印鑑ではなく電子サイン(端末にタッチペンでサインさせられるタイプのもの)を求められることがあります。
きっと文字が書けないならそう伝えると別の方法があるのでしょうが、息子さんはそれを嫌って宅急便の受け取りにはインターホンが鳴っても出ません。
「書けません」と伝えることは、きっと勇気がいるだろうなと思います。
そんな中、息子さん先日「どうしても行ってみたいイベントがある」と一人で飛行機に乗って東京にホテルを取って2泊3日出かけてきました。
一人で泊りで出かけることは初めてのことでした。
自称コミュ障のため困ったことがあっても知らない人に声はかけられない息子さんですが、調べる力はあるので道に迷ったりすることはないとその部分では心配はしませんでした。自分のペースで動けない集団行動も苦手ですが今回は1人なのでその心配もなし。
不安なのは、朝起きられないところ・字が書けないところ の2つでした。
朝起きられないところは最近だいぶ調節できるようになってきたこととひとりという緊張感もあって大丈夫でしたw
字が書けないのはホテルのチェックインが心配でした。
ホテルによってはチェックイン用の機械があるのでそれだと大丈夫そうですが宿泊のホテルが紙に名前と住所など書くタイプだったら大丈夫かなと。本人も少し気にしていましたが幸いそれよりも一人旅行のテンションが勝っていたようであまり心配せず「なんとかなる」と出かけていきました。
本人調べによるとホテルチェックイン時のサインは必須ではなく代筆など可能ということで、スマホに入力したものを見せて代筆してもらうなど考えていたようです。
ホテルではやはり筆記タイプのチェックインだったようで自分から「書けない」とちゃんと伝えられ「では大丈夫です」となんともなかったとのこと。
「自分で伝えられてなんともなかったこと」が彼の自信につながったようでした。
できないことをしっかり人に伝えられること大事ですがなかなか勇気のいることだと思います。本当に良かったです。
代理投票
話は選挙に戻ります。
息子さん調べで「代理投票」というのができることがわかった、それで投票をしたい、という本人の意思でした。
代理投票は親などは代理できず、投票所にいる係の方2名に付き添ってもらうような仕組みです。
投票用紙というのは誰に投票したいかがわかれば有効票になるので漢字を間違っていても全部ひらがなでも簡単に書けばいいということは知っていましたし、お手本の字は目の前に書いてあるのをうつせばいいし、書けない?と聞きましたが、それでも書けないと。
前述のとおり知らない人に話しかけたりすることが苦手な性格なのに、代理投票を利用してでも投票をしたいと思ってる気持ちあっぱれと思うと同時に、やはり書くことにとても抵抗があるのだなと思いました。
そして念のためにと選挙管理委員会に代理投票の利用についての問い合わせをしました。
福岡市の選挙管理委員会に問い合わせるも書字障害が伝わらない
「代理投票を利用したいが当日その場でお願いしたら大丈夫なのか」という内容を尋ねたく問い合わせをしました。
まず、いつも選挙のお世話をされている近所の方がいるのでその方にこういうことを聞きたいとお尋ねしました。
結果福岡市の選挙管理委員会の電話番号を教えていただけたのですが、そのときに「どうして字が書けないの?」と不思議そうでした。
次に選挙管理委員会に電話をかけて内容を伝えると、字が書けない理由について聞かれましたがこちらも理解できない風でした。
それから電話を別の担当の方に変わられて、そこでも同じような対応でした。
「知的の遅れなどはないのですが、字が書けません。」
「目は見えるんですね。どういうことでしょう?」
「発達障害があります」
「手の障害ということですね?」
「違います。手は使えますが字が書けません。」
のようなやりとりをして最終的によくわからんけどわかりました。という会話でした。
書字障害というのはあまり知られてないのだなと思うと同時に、書字障害の方はあまり投票に来ないのかなと思いました。
自分がもし書字障害だったと考えたら、字が書けないとはあまり言いたくないから投票行かないかなぁと思ったりしました。
代理投票はとにかく当日その場で伝えたら大丈夫、というお返事でした。
選挙当日
そんなこんなでしたが、選挙無事に終了しました。
代理投票も問題なく行ってもらえました。
終わった後「代理投票で手間をかけてもらって申し訳なかったな」と口にしていたのでやはり自分で書けたらいいなという気持ちはあるんだなぁと思いました。
昔は「書けるのにどうして書かないの!」と思っていたなと思い出します。
投票Done pic.twitter.com/yXoDQsqdyu
— とり子 (@siroitori0413) 2026年2月8日