Fusion360
今年習得した技術のひとつに、CADソフト「Fusion360」があります。
便利そうだなとは思っていたものの「習得するのに時間かかりそうだしTinkercadでも作れるし時間が取れる時に…」とか後回しにしたまま時が過ぎていました。
ちなみに息子さんはFusion360使えるのですが、あまり教えるのが上手でない上、私がしつこく聞くと「ぐぐれカス」と怒られるのであまり聞けませんw
Tinkercadについて
息子さんの影響で電子工作が私の趣味になってから自宅の3Dプリンタでその筐体などを作るようになりました。そしてその3Dデータを作るときはすべてTinkercadで作成してきました。
▼ Tinkercadのこと書いた過去ブログ
siroitori.hatenablog.com
Tinkercadは子供向けだと思うのですが、やろうと思えばかなりのことができます。また、Webブラウザ上でできるのでインストールもしなくて良くて手軽です。作品もクラウド上に保存しておくことができます。
ただあまりTinkercadで筐体とかを設計する人はいないようで「Tinkercadでここまでできるんですねー」と驚かれたりもします。はい、普通はFusion360とか使うんだと思います。
エンジニアカフェのイベント!
そんな中、11月にエンジニアカフェで開催された「レーザー加工用データをFusion 360でつくる」というイベント。先生は凄腕で尊敬するエンジニアカフェの河島さんです。
ちょうど予定も合い「これはFusion360をそろそろ勉強しなさいとの神からのお告げだな」と受け止め、前のめりで参加登録をしました。またレーザーカッターで何か作りたい意欲もあったのでピンポイントでした。
昨日ツイートしそびれてましたが、エンジニアカフェでfusion360習ってきました。
— とり子 (@siroitori0413) 2022年11月10日
講師の @kawashieee さんのわかりやすい説明!
あたりまえやろと言われそうですが、Tinkercadより機能が多くて、使い方わかればとてもやりやすい!!
俄然やる気がでてきましたー😆🔥 pic.twitter.com/bevttE7lCe
初心者にもわかりやすく、基本の操作方法はすぐにわかりました。
そう思うんじゃないかなとある程度予測はしてたものの案の定「こんなことなら早くやってたらよかった」と思いました。
今回はレーザー加工データということで板を切る形になるので立体を展開図にするやりかたなども学びました。
よく理解できたとはいえ特にアセンブリ機能などまだまだ私には難しいところもありましたが、ざっくり「こんなことができる」ということがわかって良かったです。Fusion360についての市販の本の分厚さから考えるとちょっとやそっとじゃ学べない多機能ですよね。おいおい学習できればと思います。
Fusion360 実践
ちょうど作りたいものがあったので、学んだことを生かしてFusion360で作ることにしました。
できるならレーザーカット用データを作りたかったですが、やっぱりまだちょっと難しいなと思って、今回はFusion360で3Dプリント用データを作るチャレンジからはじめることにしました。
作品はこちら
protopedia.net
上記の作品を作りました。先日ヒーローズ・リーグでkintone賞をいただきとても嬉しかったです!(別記事参照)
今回はこの中の二種類のお薬入れ(蓋にはMESHを取り付けられる)ケースをFusion360で作ったことについて書きます。
完成〜お薬ケース💊
— とり子 (@siroitori0413) 2022年11月25日
左が頭痛時、右が頭痛以外の鎮痛時。
それぞれMESHでカウントします。 pic.twitter.com/kCWDse84h1
元データを改造して作りました
とはいってもゼロから作ったわけでなく、Thingiverseに公開されていたデータを改造させていただきました。
これ、3Dプリンタでサポートつけずヒンジ部分もうまくプリントできて可動できるようになるんですよ。すごいですよね。
ヒンジ部分をプリントしたいなと思い参考にさせてもらおうとThingiverseを検索していたのですが、上記データが3Dプリンタで印刷した時にうまく印刷できたというのと、Fusion360用のデータも公開されていたことからこれに手をいれさせていただくことにしました。
結果、これがFusion360を学ぶ良い材料になりました!
基本的な手順としては
- Fusion360にCADデータを取り込む
- 蓋をMESHが入る大きさに調整する
- 2つにして合体する
- MESH充電用の穴を開ける
となります。
Fusion360にCADデータを取り込む
ダウンロードしたデータ(拡張子.f3d)をFusion360で開きます。Fusion360のファイルは下の方に履歴が表示されここをいじると修正できちゃうの素敵ですね。
蓋をMESHが入る大きさに調整する
基本の箱の形のスケッチが一番最初にあったのでこれを右クリックして「スケッチを編集」を選びます。
スケッチによると横縦ともに40mmでした。これを縦を伸ばしたいと思い「スケッチ寸法」を入力しようとすると「過剰拘束されたスケッチ」のメッセージが出てしまいます。これは長方形の2辺の長さを決定しているのに3辺めを設定しようとした場合などに出るメッセージです。あれれなんでだっけ?といっとき悩みました。
どうも縦横が同じ(正方形)という設定がされていたようです。下の画像にあるマークの部分を右クリックで削除とすると正方形が解除され縦サイズを変更することができました。スケッチの修正が終了したら右上の「スケッチを終了」を押します。
長方形の箱になりました。
思いがけずなんと蓋の部分も一緒にサイズ変更されました!!このデータを作られた方がそういうふうに作られたからそうなったのでしょうけど、こんなことはTinkercadにはできないことなので「なんと便利なのだ」と感動しました。
2つにして合体する
全体をコピーして2つにしてくっつける作業をやったはずなのですが・・・どうやってやったのかどうしても思い出せませんw
今いろいろ動かしてみてやっとできたのですが、出来上がりの状態が以前作成したものと違うのでこの方法で作ったのではないのですが、また後になったら忘れるので書いておきます。
対象のボディを選択するためにここではTop1とBody1を選択して右クリックし「移動/コピー」を選択します。
真ん中の矢印をドラッグすることで移動することができます。今回はコピーするので、「移動/コピー」ウインドウの「コピーを作成」にチェックを入れてドラッグします。
できました!Top2、Body2が新しくできています。
(前に作ったモデルはTop2とBody2が存在しておらず、どんな方法でコピーしたのだろうと謎は深まります。)
MESH充電用の穴を開ける
本当は穴を開けてからコピーしたほうが良いのかなとも思いましたが、穴の位置をそれぞれ左右対称に配置したかったのでコピーしてからそれぞれに穴を開けるようにしました。
多分左右対称に穴を開けるような設定もできそうですがまだそこまでの知識がないので、できることからこつこつとやっていきます。
下の赤丸の部分に穴をあけようと思います。
穴を開けたい面のスケッチを編集し、穴をあけるための四角形をデザインしたあとスケッチを終了します。
それから穴の四角形を選択して、「プレス/プル」を選択します。(あれ、以前「押し出し」という名前だったような気がします)
穴の四角形部分の矢印を穴ができる方向に動かします。
穴ができる方向に動かすと「押し出し」ウインドウが「切り取り」と表示されます。きれいに穴のあく深さまで自分で調整します。
先日のエンジニアカフェではこれを「距離のタイプ」に「すべて」を設定すれば貫通する穴をあけられる(その後編集して物体の厚みが厚くなったとしても穴も貫通するだけ自動調整される)と聞き感動しました。Tinkercadではそのようなことは不可能でした。
ただ、今回のに関しては「すべて」にすると蓋の側だけ穴をあけたいのに本体側まで貫通してしまうのでできませんでした。
出力してみて調整
ちゃんとサイズを測ってから作りましたが、出力してみるとこんなふうにうまくいかないこともあります。
MESHがギリ入らない…
こういうときはサイズを変更します。
こういう場合もFusion360ではすぐに調整できますが、Tinkercadだとなかなかつらいですね。
できあがり
書きませんでしたが、蓋だけは隙間1mmあけ個別で蓋が開くようにしました。
ちなみにTinkercad使うとこうやってたと思う
Tinkercad だったらこうやってたと思う方法も書いておきます。
下の図のようにふたと本体を長方形にするため3つに切り取って真ん中のパーツ(A)をコピーしてくっつけて伸ばしてたと思われます。
こうやってやってしまうとずれてしまったり面倒なことが多いです。
また再度サイズ変更しようと思うとまたとても大変です。
Fusion360 まとめ
Tinkercadではできない様々な機能がとても便利だと思いました。
いや便利であろうことは最初からわかってはいたのですが、思ったより難しくなさそうと思えたことがポイントでした。難しいと思い込んでいたフシがあります。食わず嫌いはいけませんね。
またとても良かったのは、ThingiverseなどでFusion360ファイルも公開されていることがあるという点です。改造から入ると学習しやすいです。
プログラミングも本格的には社会人になってから人のプログラムの改修作業から入ってるので、改修対象のコードの書き方など参考にできる部分が多く(時にその逆もあるのですが…)必要なところから学んでいったらいつのまにか全体がそれとなくわかるようになるという人生でした。
そしてこうやって記録しておくことも大事ですね。
今回改造したことをいざ書こうと思ってもう一度やってみようと思ったらまたわからなくてかなりの時間をかけてしまいました。
好きなラーメンと麺のかたさ
やっぱり豚骨のカタ麺でしょう。
けっこうこってり派だったのですが年齢とともに胃に優しいものを求めるようになりましたね〜(遠い目)